S&P500、全世界株式、全米株式の違いと選び方【初心者向けガイド】

インデックス投資

今回は、投資を始めたばかりの方が特に気になる、代表的なインデックス投資の3大柱「S&P500」「全世界株式」「全米株式」について、特徴や選び方を詳しく解説します。

さらに、代表的な投資信託やETFの信託報酬(コスト)を最新の情報で比較し、投資信託とETFの違いについても触れていきます。


S&P500とは?アメリカの大型優良企業500社に分散投資する指数

S&P500は、米国の大型株500銘柄で構成される株価指数です。

アップル、マイクロソフト、グーグル(アルファベット)といった世界を代表する企業が中心となっており、米国株市場の中核を成す指数として広く知られています。

代表的な投資信託とETF、信託報酬の比較

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    信託報酬:0.0924%(税込)
    積立投資に適した低コストの投資信託です。

  • 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
    信託報酬:0.077%(税込)
    楽天証券を利用する投資家に人気があります。

  • IVV(iShares Core S&P 500 ETF)
    経費率:0.03%
    米国の代表的なETFで、低コストかつ流動性が高いのが特徴です。

  • SPY(SPDR S&P 500 ETF Trust)
    経費率:0.0945%
    世界最大規模のETFで、取引量も非常に多いです。

  • 東証ETF 2558(MAXIS米国株式(S&P500))
    信託報酬:0.077%(税込)
    国内証券口座から手軽に購入できるETFです。

S&P500のメリット・デメリット

S&P500の最大のメリットは、米国の優良大型株に効率良く分散投資できることです。米国経済の成長の恩恵を受けやすく、過去数十年にわたる長期成績も堅調に推移しています。

一方で、米国市場に集中投資するため、市場全体の下落リスクを直接受ける点は注意が必要です。


全世界株式とは?約50カ国・約3,000銘柄に分散投資する指数

全世界株式は、先進国から新興国まで幅広い国の株式に分散投資する指数です。代表的なものはMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)で、2025年5月時点で約2,647銘柄を含んでいます。

代表的な投資信託とETF、信託報酬の比較

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    信託報酬:0.05775%(税込)
    日本を含む全世界の株式に投資可能です。

  • 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
    信託報酬:0.0561%(税込)
    楽天証券ユーザーに支持されています。

  • VT(Vanguard Total World Stock ETF)
    経費率:0.07%
    世界中に幅広く投資できる海外ETFです。

  • 東証ETF 2558(MAXIS 全世界株式(MSCI ACWI)上場投信)
    信託報酬:0.0858%(税込)
    国内からも購入できる全世界株式連動型ETFです。

全世界株式のメリット・デメリット

全世界株式の強みは、複数国や地域に分散できるためリスク分散効果が高いことです。また、新興国の成長も取り込めるため、将来の成長機会を逃しにくい点もメリットです。

ただし、新興国の市場は変動が大きくなる場合があり、長期的な忍耐が求められます。また、全米やS&P500に比べるとリターンがやや平準化される傾向もあります。


全米株式とは?米国株式市場の大型〜小型株約4,000銘柄に幅広く投資

全米株式は、米国株市場全体をカバーする指数で、大型株から小型株まで約4,000銘柄を対象としています。代表的な指数はCRSP US Total Market Indexで、S&P500よりも幅広く分散できるのが特徴です。

代表的なETF、信託報酬

  • VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)
    経費率:0.03%
    米国株市場全体に低コストで投資可能なETFです。

  • 国内のETFで全米株式に完全連動するものは2025年5月現在、ありません。国内投資信託も限定的です。

全米株式のメリット・デメリット

小型株を含むため、成長の可能性が広がる一方で、米国市場に集中するため為替や地域リスクはS&P500と同様です。


アメリカ一国投資と全世界投資の比較

項目 アメリカ一国投資 全世界投資
メリット ・世界最大の経済圏の成長を享受できる
・世界企業の多くが米国に本拠を置くため収益力が高い
・流動性・コスト面で優れている
・複数国・地域に分散しリスク分散効果が高い
・新興国の成長も取り込める
・為替リスクの分散効果あり
デメリット ・米国市場の下落リスクを直接受ける
・為替変動リスクがある
・新興国や他地域の成長機会を逃す可能性
・新興国のリスクやボラティリティが大きい
・米国単独投資に比べリターンがやや平準化される傾向

投資信託とETFの違いと初心者へのおすすめ

投資信託の特徴

  • 毎日一定価格で購入・解約できる

  • 少額から積立しやすい(100円から可能)

  • 信託報酬が主なコストでわかりやすい

ETFの特徴

  • 株式市場でリアルタイムに取引可能

  • 売買手数料やスプレッドがかかる場合がある

  • 最低購入単位が高いことが多い(数万円以上)

初心者には

長期の積立投資を少額から始めたい方は投資信託がおすすめです。まとまった資金があり、市場の動きを見て売買したい場合はETFも選択肢になります。


まとめ

「S&P500」「全世界株式」「全米株式」はそれぞれ投資対象や地域分散の範囲が異なり、コストも異なります。自分の投資目的や資金量、リスク許容度に応じて最適な商品を選ぶことが重要です。

いずれも長期的にコツコツ積み立てることで、安定した資産形成が期待できます。焦らず継続することが、成功への鍵と言えるでしょう。

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