バブル・暴落時の行動指針:市場の荒波を乗りこなす心構えと実践

インデックス投資

こんにちは、インデックス投資ブロガーのななしです。

今回は、投資をしていると必ず直面するであろう「バブル」と「暴落」について、特に初心者の方が抱きやすい誤解を解きながら、その際にどう行動すれば良いのかを詳しく解説していきます。

「バブル」と聞くと「儲かるチャンス!」、「暴落」と聞くと「資産が減る、怖い!」といった感情が湧き上がるかもしれません。しかし、適切な知識と心構えがあれば、これらの市場の荒波を乗りこなし、むしろ長期的な資産形成の機会に変えることができます。

今日の記事は、皆さんの投資に対する不安を和らげ、自信を持って市場と向き合うための一助となるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。

バブルとは何か? 「永遠の上昇」は存在しない

まず、「バブル」について考えていきましょう。

バブルとは、資産価格がその本来の価値(ファンダメンタルズ)からかけ離れて、投機的な熱狂によって異常に高騰している状態を指します。泡のように膨らみ、いつか必ず弾けてしまうことから「バブル」と呼ばれます。

歴史を振り返れば、チューリップバブル(17世紀オランダ)、南海泡沫事件(18世紀イギリス)、日本のバブル経済(1980年代後半)、ITバブル(2000年前後)、そして最近の不動産バブルや一部の仮想通貨の過熱など、様々なバブルが発生し、そして崩壊してきました。

バブル期には、以下のような特徴が見られます。

  • 異常な楽観主義: 「株価は永遠に上がる」「今買わないと乗り遅れる」といった根拠のない楽観論が蔓延します。
  • 投機的な行動の増加: 経験の浅い投資家や、普段投資をしない人々までが「一攫千金」を夢見て市場に参入し、人気化した銘柄に殺到します。
  • 過剰な借金: 多くの人が借金をしてまで投資に回したり、企業が過剰な設備投資を行ったりすることがあります。
  • メディアの煽り: 「億り人が続々誕生」「誰でも簡単に儲かる」といった扇動的な報道が増え、人々の購買意欲を刺激します。

勘違い1:「バブルにうまく乗れば大儲けできる」

確かに、バブルの初期から中期にかけて参加できれば、一時的に大きな利益を得られる可能性はあります。しかし、バブルのピークを正確に予測して、その直前で売り抜けることは、プロの投資家でも極めて困難です。

ほとんどの人は、バブルが最高潮に達し、メディアで盛んに報じられるようになった頃に参入し、その後、バブルが弾けて損失を被る、という道を辿りがちです。

なぜなら、人間の心理として「もっと上がるはず」「今売ったら損するかもしれない」という欲や、「みんなが儲かっているのに自分だけ置いていかれるのは嫌だ」という焦りが働くからです。この「欲」と「恐怖」こそが、投資における最大の敵となるのです。

インデックス投資においては、バブル期だからといって特別な行動をとる必要はありません。淡々と積立投資を続けることが重要です。バブルによって市場全体が過熱している時でも、ドルコスト平均法により、結果的に高値掴みを避けることができます。

暴落とは何か? 市場の「お掃除」と「買い場」

次に「暴落」についてです。

暴落とは、株価や他の資産価格が短期間に急激に下落することを指します。世界的な金融危機、パンデミック、自然災害、企業の不祥事など、様々な要因で引き起こされます。

暴落期には、以下のような特徴が見られます。

  • 極度の悲観主義: 「もうダメだ」「市場は終わった」といった絶望的な声が聞かれ、投資家心理は極限まで冷え込みます。
  • パニック売り: 多くの投資家が損失を確定させたくなくて保有を続けた結果、恐怖に駆られて一斉に売却し、さらなる価格下落を引き起こします。
  • メディアのネガティブ報道: 「歴史的な下落」「最悪の金融危機」といった煽り立てるような報道が増え、人々の不安をさらに煽ります。
  • 含み損の発生: 多くの投資家が、購入時よりも資産価値が低い「含み損」を抱えることになります。

勘違い2:「暴落が来たらすぐに売って損失を確定すべきだ」

これは、初心者の方が最も陥りやすい誤解の一つです。暴落時に慌てて売却することは、通常、最悪の行動と言えます。

なぜなら、株価は「悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福の中で死ぬ」と言われるように、暴落時こそが将来の大きなリターンを得るための「買い場」である可能性が高いからです。

株式市場は、短期的な値動きは不規則ですが、長期的に見れば右肩上がりに成長してきた歴史があります。暴落は一時的なものであり、その後は必ずと言っていいほど回復してきました。

  • リーマンショック(2008年): 世界経済を揺るがすほどの金融危機でしたが、S&P500指数は約1年半で約57%下落した後、数年で最高値を更新しました。
  • コロナショック(2020年): パンデミックによって世界経済が一時停止しましたが、S&P500指数はわずか1ヶ月で約34%下落した後、驚くべき速さで回復し、その後も上昇を続けました。

暴落時に売却してしまうと、一時的な含み損が「確定した損失」に変わってしまいます。さらに、その後の市場の回復の恩恵を受けることができなくなり、長期的な資産形成の機会を失ってしまうことになります。

一時的に避難して、底を確認したあとに買い戻せば良いと思うかも知れませんが、過去の事例を見ると、株式の急騰は暴落後に起こることが多く、それは稲妻が輝く瞬間とも言われています。また、この稲妻が輝く瞬間を数回逃すとインデックス投資のリターンは恐ろしいほど下がります。(円建てS&P500で1988年~2024年8月の期間だと上位5日を逃すとリターンは41%下がります。理由:ブラックマンデー、リーマンショック後の急回復と為替の影響、かつ長期複利でのリターン損失が大きい。)

後述しますがバイアンドホールド最強ということ。

インデックス投資におけるバブル・暴落時の行動指針

では、インデックス投資を実践している私たちは、バブルや暴落といった市場の変動にどう向き合えば良いのでしょうか。基本的なスタンスは非常にシンプルです。

1. 「何もしない」という賢明な選択

バブル時も暴落時も、基本的には「何もしない」ということが、最も賢明な行動である場合が多いです。

  • バブル期: 周囲が「今が買い時!」と騒いでいても、焦って資金を投入したり、普段買わないような投機的な銘柄に手を出したりする必要はありません。淡々と積立投資を続けることで、高値掴みを避けられます。
  • 暴落期: 資産が減っていくのを見るのは精神的に辛いですが、パニックになって売却してはいけません。「塩漬け」という言葉にネガティブなイメージを持つかもしれませんが、インデックス投資においては、回復を待つ「持ち続ける」ことが重要です。

なぜ「何もしない」が賢明なのかというと、市場の短期的な動きを予測することは不可能だからです。私たちは市場の専門家ではありませんし、市場の動きを正確に読み切れる人間は、世界中を探してもほとんどいません。感情に流されて行動すると、往々にして間違った判断をしてしまいます。

2. 積立投資を継続する

バブル期も暴落期も、毎月の積立投資を淡々と継続することが、インデックス投資の最大の強みです。

  • ドルコスト平均法の恩恵を最大限に: 積立投資は、価格が高い時には少なく、価格が低い時には多く購入することになり、結果として購入単価を平準化する効果があります。
  • 暴落時はむしろチャンス: 暴落時は、今までと同じ金額でより多くの口数を購入できる「バーゲンセール」のような状態です。ここで買い増しを継続することで、市場が回復した際に、より大きなリターンを得られる可能性が高まります。
    • 「落ちるナイフは掴むな」という格言もありますが、これは個別株投資において、底値を狙い撃ちすることの難しさを示しています。しかし、インデックス投資の積立においては、機械的に買い続けることで、結果的に底値圏での購入を積み重ねることになります。

3. 生活防衛資金を確保する

投資を始める前、そして投資を継続する上で最も重要なことの一つが、「生活防衛資金」の確保です。これは、病気や失業、予期せぬ大きな出費など、万が一の事態に備えるための資金です。

  • 目安は生活費の3ヶ月〜1年分: 個人の状況(家族構成、収入の安定性など)によって異なりますが、一般的には生活費の3ヶ月分から1年分程度の現金を、すぐに引き出せる形で確保しておくのが良いとされています。
  • なぜ重要なのか?: 生活防衛資金があれば、暴落時に「生活費のために投資資金を売却しなければならない」という最悪の事態を避けることができます。これにより、精神的な余裕が生まれ、暴落時でも冷静に投資を継続できるようになります。

管理人は1年分の生活費を用意しており、それとは別に暴落時にも投資できるよう個人向け国債を1000万円置いてます。逸失利益よりも安心して投資継続できる体制のほうが大切。

4. 自分のリスク許容度を理解する

投資において、「自分のリスク許容度」を理解することは非常に重要です。リスク許容度とは、自分がどれくらいの損失までなら精神的に耐えられるか、ということです。

  • 焦って売らないために: 自分のリスク許容度を超えた投資額で運用していると、暴落時にパニックに陥りやすくなります。
  • 無理のない範囲で投資する: 自分が夜も眠れなくなるような金額を投資に回すのは避けましょう。無理のない範囲で投資を続けることが、長期的な成功の鍵となります。

よくある誤解とその真実:市場の心理戦に打ち勝つ

バブルや暴落時によくある、さらに深い誤解と、それに対する真実を見ていきましょう。

勘違い3:「SNSやニュースの煽り文句に乗ってしまう」

真実:感情的な情報源から距離を置く勇気を持つ

バブル期には「〇〇株で億り人続出!」「今がチャンス!」といった煽り記事やSNS投稿が溢れ、暴落期には「世界経済崩壊の危機!」「株価はさらに下がる!」といった悲観的なニュースで溢れます。

  • これらの情報は、多くの場合、人々の感情を揺さぶり、不適切な行動を促します。特に初心者の方は、こうした情報に流されやすく、焦りや恐怖から間違った判断をしてしまいがちです。
  • 重要なのは、冷静にファクト(事実)に基づいて判断することです。感情的な情報源からは一時的に距離を置き、自分が設定した投資ルールを淡々と守ることが大切です。信頼できる経済指標や、過去の歴史的事実に基づいた情報に耳を傾けましょう。

勘違い4:「暴落時に底値を狙って一括投資すれば大儲けできる」

真実:底値の予測は不可能。無理せず積立継続が吉。

暴落時、誰もが「底値」で買い増しをしたいと思うでしょう。しかし、底値を正確に予測することは、誰にもできません。「落ちるナイフを掴むな」という格言があるように、さらに下がる可能性も十分にあります。

  • 一括投資のリスク: もし底値を予測して一括投資したとしても、そこが底ではなかった場合、さらなる含み損を抱えることになり、精神的な負担が増大します。
  • 積立投資の強み: 積立投資であれば、底値をピンポイントで狙う必要はありません。下落局面では自動的に安値で多くの口数を買い続けることになるため、市場が回復した際には、大きなリターンが期待できます。
    • 「株価は買い下がれ」: これは、下落局面で少しずつ買い増していくことを指す言葉で、積立投資はまさにこの効果を自動的に実現してくれます。

勘違い5:「暴落が来たら、投資をやめるべきだ」

真実:暴落は長期投資家にとって「プレゼント」

多くの初心者が暴落時に「もう投資は辞めよう」と考えてしまいます。しかし、これは非常にもったいない考え方です。

  • 長期的な視点を持つ: 前述の通り、株式市場は短期的には上下しますが、**長期的に見れば成長を続けてきました。**暴落は一時的なイベントであり、その後の回復期にこそ、大きなリターンを得るチャンスが眠っています。
  • 「安値で仕込めるチャンス」と捉える: 暴落は、優良な資産を普段よりもずっと安く手に入れられる絶好の機会です。積立投資を継続することで、この「バーゲンセール」期間を最大限に活用することができます。
  • 投資をやめるとどうなるか: 暴落時に投資をやめてしまうと、それまでの損失が確定してしまうだけでなく、その後の市場の回復という「リターン」を取り逃がしてしまいます。

心理的な準備:市場と自分自身を理解する

バブルや暴落といった市場の激しい動きに直面した時、最も重要なのは**「心理的な準備」**です。知識だけでは乗り越えられない、感情との戦いがそこにはあります。

1. 過去の歴史から学ぶ

歴史は繰り返す、とはよく言ったものです。過去のバブルと暴落の歴史を知ることで、**「今回の下落も、過去のパターンと同じように、いずれ回復するだろう」**という冷静な視点を持つことができます。

  • 書籍やドキュメンタリーで学ぶ: 過去の金融危機やバブルについて書かれた書籍やドキュメンタリーを見ることで、具体的な事例として学ぶことができます。
  • 長期チャートを見る: S&P500や全世界株式インデックスの長期チャート(数十年のもの)を見てみましょう。短期的な下落はあっても、右肩上がりに成長していることが一目で分かります。

超長期チャートはマジでおすすめですね。個人的にはリーマンショックのときに何度も救われました。

2. 自分の投資目的を再確認する

なぜ投資をしているのか、何のために資産を形成しているのか、という**「自分の投資目的」を再確認すること**も、感情的な行動を抑制するために役立ちます。

  • FIRE達成のため? 老後資金のため? 子どもの教育費のため?
  • 目先の含み損に囚われず、長期的な目標に集中することで、冷静さを保つことができます。

3. 「投資は自己責任」を胸に刻む

投資は自己責任です。誰かの情報やSNSの意見に流されるのではなく、最終的な判断は自分で行うという意識を強く持ちましょう。

  • 他人の意見は参考にしつつも、鵜呑みにせず、常に自分で考える習慣をつけましょう。

自責でいるメリットはメンタルが安定することかも。自分の失敗を受け入れると思っている以上に楽です。私は懲りずに何回も失敗しちゃいますがw

4. 日々の株価に一喜一憂しない

投資を始めたばかりの頃は、毎日の株価変動が気になり、何度も証券口座をチェックしてしまうかもしれません。しかし、これは精神衛生上、あまり良いことではありません。

  • 見ない、気にしない: 週に一度、月に一度など、チェックする頻度を決めて、それ以外は気にしないようにしましょう。長期投資においては、日々の株価変動はノイズに過ぎません。
  • 「ほったらかし投資」: インデックス投資の最大の魅力の一つは、一度設定すれば「ほったらかし」にできることです。この「ほったらかし」という感覚を身につけることが、心理的な負担を軽減し、成功への道を拓きます。

まとめ:市場の変動は避けられない。だからこそ、淡々と愚直に。

バブルも暴落も、株式市場に身を置く上で避けられない現象です。これらを避けて通ることはできません。しかし、適切な知識と心構え、そして実践的な行動指針を持つことで、市場の荒波を乗りこなし、むしろ長期的な資産形成の機会に変えることができます。

最も重要な行動指針は、以下の3点です。

  1. 感情に流されず、「何もしない」という賢明な選択をする。
  2. 生活防衛資金を確保し、無理のない範囲で積立投資を継続する。
  3. 自分の投資目的を明確にし、長期的な視点を決して忘れない。

インデックス投資は、これらの原則を実践する上で非常に強力なツールとなります。市場の短期的な動きに惑わされず、淡々と、そして愚直に投資を続けること。これこそが、あなたの資産を増やし、将来の豊かな生活を実現するための最も確実な道なのです。

この記事が、皆さんの投資に対する不安を少しでも和らげ、自信を持って市場と向き合うための一助となれば幸いです。

これからも、皆さんの資産形成を応援する情報を発信していきますので、ぜひまた遊びに来てくださいね。

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