東証ETFと海外ETFの選び方【初心者にもわかりやすく解説】

インデックス投資

投資を始める時、ETF(上場投資信託)を選ぶ人は増えています。特に「東証ETF」と「海外ETF」という言葉をよく耳にしますが、この2つにはどんな違いがあって、どう選べば良いのか、初心者の方は悩みがちです。

結論を先に書くと初心者には東証ETFをおすすめします。

この記事では、ETFの基本的な特徴から、税金やコストの違い、そして実際に投資する際のポイントまで、わかりやすく解説します。特に税制の中でも難しい「二重課税」や、東証ETFの「二重課税調整」についても詳しく説明します。これを読めば、ETF選びの迷いがグッと減るはずです。


東証ETFと海外ETF、まずはざっくり理解しよう

まずは、東証ETFと海外ETFの違いを知ることから始めましょう。

東証ETFとは、その名の通り「東京証券取引所」に上場しているETFのことです。日本円で取引でき、購入手続きも日本の証券会社を通じて行うため、初心者にとってとても扱いやすいという特徴があります。投資単位も小さく設定されているものが多く、数千円から投資を始められる点も魅力です。

一方、海外ETFは主に米国のナスダックやNYSEなどの海外市場に上場されているETFです。こちらは米ドル建てで取引され、銘柄の種類も豊富で低コストなものが多いのが特徴です。ただし、為替リスクや海外株式の売買手数料など、少し難しい部分もあります。


なぜ東証ETFが初心者におすすめなのか?

東証ETFの最大のメリットは、なんと言っても「日本円で買える安心感」と「税務処理のシンプルさ」です。海外ETFの場合、配当金には現地での源泉徴収税がかかり、さらに日本でも税金がかかるため「二重課税」が問題になります。確定申告で外国税額控除を申請しなければ、これを取り戻すのは難しく、初心者には大きな負担です。

しかし、東証ETFの場合は運用会社があらかじめ「二重課税調整」を行ってくれます。これにより、現地課税分が日本の税金から控除され、結果的に税負担が軽減されるのです。この仕組みがあるため、東証ETFは税制面でとても使いやすい投資商品と言えます。

また、東証ETFは日本の証券会社を通じて購入でき、取引時間も日本市場の営業時間内に限定されるため、売買のタイミングがつかみやすいのもメリットです。


海外ETFの魅力は「低コスト」と「豊富な銘柄選択」

一方で海外ETFは、信託報酬(経費率)が非常に低いものが多く、長期的に見るとコスト面で有利です。特に、米国の大手ETFプロバイダーが提供する商品は、投資家の支持を集めています。たとえば、IVVやVTIなどは、信託報酬が0.03%前後と非常に低廉です。

さらに、海外ETFは日本では買えないようなニッチなテーマETFやセクターETFも充実しており、自分の興味や投資戦略に合わせて柔軟に選択できる点も魅力的です。

ただし、為替コストを負うことや、海外の証券会社を介して取引をする際の手数料の高さ、税務処理の複雑さは初心者にはハードルとなります。


投資コストと流動性を比較してみよう

投資コストは、信託報酬だけでなく売買時の手数料も含めて考える必要があります。東証ETFの信託報酬は0.10〜0.20%程度が多く、海外ETFは0.03〜0.10%程度と、一般的に海外ETFのほうが低コストです。

しかし、海外ETFの売買には為替手数料や外国株式の売買手数料も加わるため、短期売買をするとコストが膨らみやすいという点は注意が必要です。

流動性も重要で、海外ETFは世界中の投資家が取引するため流動性が高い傾向にあります。東証ETFも年々流動性は向上していますが、海外ETFには及ばないこともあります。


二重課税の仕組みと注意点

海外ETFの配当金には、米国で10%の源泉徴収税がかかります。これに加え、日本での税金(所得税・住民税)も課されるため、同じ配当収入に2重に税金がかかるわけです。

ただし、日本の税制では「外国税額控除」があり、確定申告で一定の条件を満たすと米国で支払った税金分を一部還付してもらえます。とはいえ、手続きは複雑で面倒に感じる方も多いでしょう。

これに対して東証ETFは、運用会社がこの二重課税問題を調整しており、配当金の税負担が軽減される仕組みが組み込まれています。そのため、確定申告なしで手軽に税制面の恩恵を受けられます。


東証ETFと海外ETF、どちらがおすすめ?

結論から言うと、初心者や少額投資家、税務処理の負担を減らしたい人は東証ETFがおすすめです。特に長期の積立投資であれば、手軽さと税制面の安心感は大きなメリットになります。

一方、まとまった資金を投じて、より低コストで幅広い銘柄にアクセスしたい中・上級者は海外ETFを検討してもよいでしょう。ただし、税務申告の手間や為替リスクを十分に理解した上で選ぶ必要があります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 東証ETFと海外ETFはどちらが儲かりやすいですか?
答えは一概には言えません。パフォーマンスは対象指数や市場動向によりますが、コストと税制面の違いが最終的な手取りに影響します。

Q2. 海外ETFの配当金は日本円で受け取れますか?
通常はドル建てで配当されますが、証券会社が自動的に円に換算して入金する場合もあります。

楽天証券は筆者も使っており、円建てで配当が受け取れて便利です。

Q3. 東証ETFも為替リスクはありますか?
投資対象が海外資産であれば、間接的に為替リスクを負います。為替ヘッジありの商品もあります。

Q4. 海外ETFを買うのにおすすめの証券会社は?
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など日本の大手ネット証券が使いやすいです。


まとめ

東証ETFと海外ETFはどちらも魅力的な投資手段ですが、それぞれ特徴が異なります。初心者や税制面で安心したいなら東証ETF、低コストや多様な銘柄に投資したいなら海外ETFと、自分のスタイルや状況に合わせて選ぶことが大切です。

投資は継続が命。無理なく始めて、長期で資産を育てていきましょう。

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